ブログの記事を書いていると、「この本の説明が分かりやすいから紹介したいけれど勝手に載せていいの?」「画像付きで解説したいけれど、著作権のことが心配……」と思うことがありませんか?
このように自分のブログに他人が作った文章の一部や画像などの著作物を載せることを「引用」と言います。
実は「引用」には著作権法で決められたルールがあります。
正しく引用しないとトラブルのもとになり、最悪の場合、著作権侵害として罰せられてしまうことがあるので要注意です。
そうならないために著作物の「引用」についてしっかりと理解して、安心してブログ活動をできるようにしましょう!
そもそも引用とは?
他人が作った文章などの一部を自分の創作物に取り込んで利用することを「引用」と言います。
上手に引用することで自身が作る文章を分かりやすくしたり、説得力を持たせたりすることができます。
パクリや無断転載とはどう違うの?
いわゆる「パクリ」や「無断転載」のような行為も、他人の著作物を自分のものとして利用するので引用と混同されがちですが、引用は情報活用の方法として認められている権利です。
引用では誰が作ったものか明記するルールがあるので、引用元にとっても人の目に触れる機会が増えるメリットがあります。
正しく引用しないとブログを閉鎖される?!
間違った方法で引用してしまうと、著作権者から著作物の使用を取りやめるよう警告されたり損害賠償請求されたりする恐れがあります。場合によってはブログそのものを閉鎖するよう求められることもあり得ます。
また、悪質な場合は著作権侵害として10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、あるいはその両方が科せられます。
無用なトラブルに巻き込まれないためにも、引用ルールを正しく守りましょう。
正しい引用方法を知ろう!

1.公表されているものを引用すること
まず前提として、世の中に公表されているものだけが引用の対象です。
未発表の論文や小説、作者が公開しないと決めたイラストなどは引用して使うことはできません。
2.改変しないこと
引用元の文章や画像などに手を加えてはいけません。
引用元に誤字や脱字があってもそのまま載せるのが基本で、引用の末尾に「(原文ママ)」と書けば引用ミスではなく元の文章のとおりであることが伝わります。
引用する文章が長かったり不要な情報が含まれていたりする場合でもそのまま載せるのが原則ですが、どうしても引用元の一部を短くしたい場合は「(中略)」などと書いて省略したことを明確にするようにしましょう。
3.引用部分をはっきりさせること
ブログ記事の中で、引用部分がどこからどこまでなのかはっきり示しましょう。
区切り方は自由ですが、伝統的には””や「」で引用文を括るのが一般的です。
ブログの場合、Wordpressなど利用しているプラットフォームに引用のための機能があればそれを活用すればOKです。
WordPressの引用ブロックを使えば、このように引用箇所が強調されるので一目で分かります。
4.引用元を明記すること
引用するときに最も重要と言えるのが、引用元を明記することです。
誰の何というものの引用なのか、読者が見てすぐに理解できるように書く必要があります。
文章の引用であれば作者名と作品名や記事名、書籍や論文の場合はページ番号、webページの場合はURLを記載して、読者が引用元にたどり着ける状態にしましょう。
画像の引用も同じように、作者名と作品名、URLなどを記載します。
これらの情報は引用元のすぐ近くに書くのが基本です。
(例)
引用元を記入する機能があればぜひ活用しましょう!
引用ルールを押さえつつ、見た目も整った書き方ができます。
引用元(例):知財のわかばマーク https://www.chizawaka.com/ xxxxx/
5.自分の記事が「主」、引用が「従」であること
引用であれば他人の記事を載せ放題かというと、当然そんなことはありません。
あくまで必要最低限のみであって、引用元の文章をほとんど丸ごと載せるような行為はNGです。
もちろん引用元の文章を複数箇所に分けて書き、最終的に引用元がほぼ丸ごと載ってしまうようなのもダメです。
また引用が一部分のみであっても、ブログ記事全体で見たときに引用部分の方が割合が多いような記事も引用のルール違反となります。



あくまでも自分の記事が「主(メイン)」、引用が「従(サブ)」となるように気を付けましょう。
6.引用する理由があること
他人の著作物を引用するには理由が必要です。
理由と言ってもあまり難しく考える必要はなく、「記事の補足をしたい」「引用部分についての考察を書きたい」といったことも理由として充分です。引用したものに対してしっかりと自身の意見や考えを付け加えるようにしましょう。
引用の具体的なやり方
文章を引用するとき
ブログを書く上で避けて通れないのは文章の引用です。
文章を引用するときのポイントをまとめて確認しましょう。



画像を引用するとき
画像を引用するときも基本は文章の引用と同じです。画像の改変はせず、引用元を明記します。
もちろん、引用した画像についてのコメントもしっかり書きましょう。



ただし著名人や芸能人など人物の画像は、著作権とは別の権利(パブリシティ権、肖像権)が問題になるので引用のルールを守っていたとしても勝手に利用することはできません。
どうしても人物が写った画像を利用したいときは、本人やその人が所属する芸能事務所などの許可を取るか、画像を利用して良いことが明記されているものを使うようにしましょう。
また、画像ファイルを外部のウェブページから直接参照して埋め込む、いわゆる「直リンク」はNGです。相手のサーバーに負担をかけてしまうため、引用ルールではなくwebページ制作におけるマナーとして控えましょう。
動画を引用するとき
Youtubeやtiktokなどの動画を自分の記事に引用したいときは埋め込み機能が便利です。
Youtube等の埋め込み機能を利用する場合、その動画は公式のプレーヤーで引用元そのものが表示されているような状態なので著作権法上問題となる複製や配布等にあたりません。
ただし当然ながら、ファスト動画や違法アップロード動画など、動画そのものが著作権侵害にあたるものは引用してはいけません。また、記事全体のうち動画の占める割合が大きくなりすぎないように気を付けましょう。
また、メンバー限定動画など公開範囲に制限がかけられているものは引用することはできません。
具体的なYoutubeの埋め込み方法は↓の動画が分かりやすいので紹介します。
まとめ
著作物の引用にはルールがあります。
正しい引用方法を知っておけば思わぬトラブルに巻き込まれる心配も減り、自信をもって記事を書くことができるようになります。
コンテンツによっては独自に引用のルールを定めていることもあるので、引用元の利用規約なども忘れずに確認するようにしましょう。
それでは、ルールを守って楽しいブログライフを!
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