ビジネスマン・クリエイター必見!商標クリアランスと依頼の流れ

新しいブランド名やサービス名を考えるときって、ワクワクしますよね。

「これだ!」と思う名前を思いついた瞬間は、すぐにでも使いたくなるものです。 でも、その前に気を付けたいのが 「商標権」 です。

「なんとなく難しそう……」、「うちの会社には関係ない」などと甘く見ていると思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあります。

そうならないために、商標クリアランスという考え方について一緒に学びましょう!

目次

はじめに

商標権は、登録された名前やロゴを「特定の商品やサービスの分野」で独占的に使える権利です(専用権)。

たとえば、あるお菓子メーカーが「うい&わかな」という名前のチョコレートを商標登録していたとします。
そうすると、他のお菓子メーカーは「うい&わかな」という名前でチョコレートを販売することはできません。

しかし実はこれだけではなく、特許庁が定める同じグループに属する商品についても、他社は同じ名前や似た名前を使えないのです。
つまり、たとえば商標の指定商品をチョコレートで登録した場合、同じグループに属するポテトチップスやアイスクリームについても同じ名前や似た名前を使えなくなります。

つまり、登録商標と「同じ商品名・同じ商品」だけでなく、「似ている商品名・似ている商品」にも、第三者に利用されない効力が及びます(禁止権)。

商標権の侵害を避けるためには、上の表の「権利対象外」となるようにしなければなりません。

ここを理解していないと、「この商品に同じ名前はなかったから安心!」と思っても、実は同じ分野に似た名前が登録されていてトラブルになる……なんてこともあります。

うい先輩~!
企画部から新商品の名前が『ういわかノート』に決まったらしいですよ!なんだか可愛い名前ですね!

ふふっ、素敵ね。
でもわかなちゃん、それ商標クリアランスした?

えっ?栗ですか?栗は好きですよ!

栗、おいしいわよね。そうじゃなくて、クリアランスね。
商品名が他人の商標権を侵害していないか調べることよ。

しっかりと調べておかないと、後々大きなトラブルになることもあるからしっかりとチェックする必要があるのよ。

商標クリアランスとは?

「商標クリアランス」とは、自分が考えた名前やロゴが、すでに誰かに商標登録されていないかを調べることです。

特許庁の公式データベース「J-PlatPat」を使えば、誰でも無料で調べられます。

しかしここで注意が必要なのは、「同じ名前がなければOK…ではない」ということ。

たとえば、飲料で「コーラ」が登録されていたら、「コーラー」「Kola」など似た名前も問題になる可能性があります。
商標の世界では「似ているかどうか」も判断対象になるため、単純な検索だけでは不十分なのです。

どうして、似ている商標も判断対象なんですか?

全く同じ商標でなくても、発音や見た目が似ていると消費者が勘違いする恐れがあるから、「似ているかどうか」も判断対象になっているのよ。

商標クリアランスをしないとどうなる?

商標クリアランスを怠って、もしも他人の商標権を侵害してしまうと次のようなトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。

商品名やロゴを使用できなくなる
ブランド作りの努力が無駄になる
損害賠償を請求される恐れあり

他人の商標権を侵害すると、その名前やロゴを使うのをやめなければいけません。
そうなると商品の販売を中止して、新しい商品名やロゴに入れ替えなければならず、大きな負担になります。

さらに、これまで時間やお金をかけて築いてきたブランド力や信用も、一瞬で失われてしまいます。

もし権利者から訴えられれば、損害賠償を支払わなければならない可能性もあります
特にクリエイターや小さな企業にとっては、これらのリスクは致命的。

だからこそ、商標クリアランスが必要なのです。

セルフチェックはどうする?

商標クリアランスは、特許庁の公式データベース「J-PlatPat」にアクセスして、使いたい名前をキーワードで検索するだけでも大まかな状況は分かります。

しかし、しっかりとしたチェックをするためには「似ているかどうか」の判断をする必要がありますが、ここが一番難しいポイントです。

「似ている」の判断は音節、外観、イメージなどから総合的に判断されるため、専門知識のない状態での判断ではどうしても限界があります。
「たぶん大丈夫だろう」と思って使い始めても、後から警告を受けて慌てるケースも少なくありません。

うーん、自分で全部判断するのは不安かも……

そうよね。だからプロに任せるのも賢い選択よ。

商標クリアランスの依頼先3選

商標クリアランスは知財に詳しい専門家に依頼するのが確実です。

ここでは商標クリアランスの主な依頼先3つをまとめてご紹介します。

1.弁理士・弁護士に依頼する

弁理士に依頼するためには、弁理士事務所、知的財産事務所、知財部門のある法律事務所などに直接問い合わせます。

メリット
詳細な調査をしてもらえる
調査結果を「鑑定書」という法的な効力を持った形で受け取ることができる
調査だけでなく出願についても相談・依頼できる

デメリット
費用が高くなりがち

2.調査会社に依頼する

商標や特許など、知的財産権の調査サービスを請け負っている会社に依頼することができます。

「商標 調査会社」などで検索すると、商標クリアランスに対応している会社を見つけることができます。

メリット
詳細な調査をしてもらえる
比較的短納期で依頼可能
コンサルタントや通販サイトの侵害通報サポートなど独自サービスを展開しているところも

デメリット
鑑定書などの最終的な法的評価は別途必要となることがある
費用は調査会社によってまちまち

3.クラウドソーシングサイトを活用(ココナラ/クラウドワークス等)

ココナラ、クラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトで知財相談を受け付けている出品者に依頼します。

「知財調査」「知財相談」で検索すると見つけやすいです。

メリット
低価格の出品者も多く、費用を抑えられる
短納期で対応してくれることも
弁理士の出品者も多数

デメリット
出品者の品質にばらつきがある

「専門家に相談してみたいけど、いきなり事務所に連絡するのはハードルが高い……」という方にはクラウドソーシングでの依頼がとても便利です。
予算に合わせて出品者を選ぶことができるため、初めて外部に調査を依頼する方にもオススメです。

へぇ~!いろいろな依頼先があるんですね!

そうなのよ、便利な時代よね。
初めてならクラウドソーシングサイトで依頼するのもおすすめよ。
コスパよくプロのサポートを受けられるから安心なの♪

まとめ

商標クリアランスは、自分のブランドを守る「守り」であると同時に、安心して活動を広げられる「攻め」にもなります。

商標クリアランスをきちんと行うことで、大切なブランドを守り、安心して成長させていくことができます。

うい先輩!
商標クリアランスって最初は難しそうって思ったけど、とても大事なものなんですね!

そうなのよ。
ちょっとした確認で大きなトラブルを防げるから、新商品を出すときは忘れずにしましょうね。

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